事例紹介

都道府県等からの調査命令

3000㎡以上の開発行為

事前調査や早期対策で、工期の遅れを回避

調査契機

一定規模以上の土地の形質変更を行う場合は、都道府県に対して事前に届出が必要になります。土地の形質変更とは、宅地造成、土地の掘削・盛土等で、土地の形状や性質を変更する行為。届出の義務は、土地の形質の変更をしようとする者が負い、一般的には、開発業者や工事請負の発注者になります。

一定規模以上とは、原則3000㎡以上ですが、有害物質使用特定施設が設置されている工場または事業場の敷地等については900㎡以上になります。開発内容によって、調査義務の適用除外となる場合もあります(土壌汚染対策法第4条第1項)。

届出をした土地で土壌汚染のおそれがある場合は、土地の所有者や管理者、または占有者に対して調査命令が出されます(土壌汚染対策法第4条第3項)。

この調査命令が出されるまでの審査期間中は、開発に着手できません。「着工までの期間を短縮したい」場合は、事前に調査を行い、第1項の届出と併せて結果の報告を行うことも可能です(土壌汚染対策法第4条第2項)。

その他、都道府県等において独自に調査義務の契機が定められている場合もあります。

調査内容

まず、地歴調査により汚染のおそれの把握を行います。

その後の表層調査では、「第一種特定有害物質」は「土壌ガスの採取分析」を行い、重金属等の「第二種特定有害物質」は「土壌の採取分析」を行います。

汚染が確認された場合は、必要に応じて深度10mまでボーリング調査を行います。

調査にかかる期間は、約1カ月間(表層および深度調査1カ月)~約3カ月間(資料調査1カ月、表層調査1カ月、深度調査1カ月)です。

地歴調査で「汚染のおそれなし」となる場合が多いのですが、「汚染のおそれが否定できない」となった場合は分析を行う検体数が多くなるため、汚染が確認される可能性も高くなります。

シアン化合物を除く第二種特定有害物質が検出されることが多く、鉛、砒素、ふっ素が特に多いと言えるでしょう。これらは自然由来である可能性が高いのですが、基準値を超えていれば、土壌汚染として扱われます。

対策工事内容

汚染が確認された場合、濃度は低くても対策範囲が広くなることが多いと言えます。
費用も高額になりますが、土壌汚染対策法第4条に係る調査を行う場合は開発事業が控えており、早期解決を望む傾向にあるため、「掘削除去」を選ぶケースがほとんどです。

工期は、もっとも長くて、掘削除去で2~3カ月程度です。
開発行為は残土が発生することが多くコストは掛かるものの、土壌汚染対策による工期の遅れを最小限に抑えながら開発事業を進めることができます。 

また、場合によっては「盛土」や「舗装」等で封じ込めをして、植栽帯や駐車場等として利用することもあります。
「盛土」は、汚染土壌の上面を砂利等で覆ってから、その上を厚さ50cm以上の土で覆う工法、「舗装」は、汚染土壌の上面をコンクリートやアスファルトで舗装する工法です。

エコアティアでは、開発事業における土壌汚染調査や対策についての実績も豊富です。お困りの方はぜひご相談ください。

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